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2014.05.25

高速鉄道の工事遅延 開通は2017年にずれ込み

高速鉄道の駅が設置される西九龍の建設工事現場

高速鉄道の駅が設置される西九龍の建設工事現場

 広深港高速鉄路(広州―深セン―香港間高速鉄道)香港区間は建設工事の遅れのため予定されていた2015年の開通には間に合わず、1年以上先送りとなることが分かった。香港鉄路公司(MTRC)が4月15日に記者会見を行い、3月の暴雨でトンネルが浸水したことなどを理由に挙げた。高速鉄道の香港区間は計画策定に手間取った上、立ち退き問題や大規模な建設反対運動などに遭い、を経て着工にこぎ着けた。香港と中国本土の一体化の鍵を握るプロジェクトであるが、まだ見通しは楽観できない。

 同高速鉄道は広州市番禺区から深セン市を経由して香港の西九龍までを結ぶ142キロメートルで、うち26キロメートルが香港区間となる。総延長は既存の広九鉄路(広州―香港間)より短く、直通列車でも一時間半かかる同区間の所要時間が48分に短縮できる。香港区間は07年に10大インフラプロジェクトに盛り込まれ、10年4月に着工、15年の完成を予定していた。広州、深セン以外にも本土16都市を香港から乗り換えなしで結び、上海市まで8時間、北京市まで10時間。中国全土の高速鉄道網の一部となり、香港はその南の玄関として存在感を示すことができる。

 プロジェクトの予算審議では立法会がデモ隊に包囲されたことも記憶に新しい。高速鉄道の車両基地を建設する新界・菜園村の住民らによる抗議は09年から活発化。住民と支持者らが政府本庁舎前に座り込み、警官隊との衝突も発生した。政府は最高ランクの補償を行い土地収用コストに約20億ドルを費やし、10年1月には立法会議事堂前で反対派がなおも抗議を続ける中、669億ドルの予算が承認された。

 工事の遅れが初めて指摘されたのは昨年5月。西九龍に建設している駅の完成が少なくとも1年遅れることが『りんご日報』で報じられた。トンネル掘削工事にも遅れが見られ、MTRCの見積もりでは12%の予算超過とされた。報道を受け特区政府運輸及房屋局の張炳良・局長はMTRCと連絡を取り、現在の見通しでは開通は予定通り、予算超過もないと発表した。運輸及房屋局が立法会鉄路事宜小組委員会に提出した資料では、西九龍駅は予期しなかった地質状況に遭遇しMTRCと請負会社が対策を検討しているが、完成時期への影響はないとなっていた。

 だが今年4月15日、MTRCは記者会見を行い、工事完了は少なくとも9カ月遅れて16年となり、開通は早くとも17年にずれ込むと発表。主な遅延理由として、3月30日の暴雨で元朗のトンネルが浸水し大型掘削機が故障、西九龍駅地下の地質と大量の公共パイプライン、深セン河周辺の地質――の問題を挙げた。予算超過の可能性には触れていない。昨年末に15年に工事完了と報告されていたため、張局長は今回の件を「非常な驚き」と形容した。(記事提供『香港ポスト』2014年5月23日号)>>>more


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