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2013.05.03

港湾スト、貿易で深圳に抜かれる恐れ

HITの親会社、長江実業前でのストライキ。労働者らは同社の李嘉誠会長を鬼に見立て賃上げを要求した

 港湾労働者らが葵涌コンテナターミナルで行っているストライキは1カ月が経過し、長期化の様相を呈している。労組側はコンテナターミナルを運営する香港インターナショナル・ターミナルズ(HIT)に対し約20%の賃上げを要求。HITの請負会社と労組側は政府の調停で4月16日までに3回の労使交渉を行ったが合意に至っていない。
 17日、スト参加者らは立法会議事堂とHITの親会社である長江実業の本社ビル「長江中心」までデモ行進し、長江実業の李嘉誠・会長の介入を求めて約100人が同社前で座り込みを始めた。
ストは職工盟が会員を取り込むためとの批判や、政治目的を指摘する声もあり、スト参加者は職工盟から1人につき約1000~1500ドルの生活手当を数回にわたり受け取ったという。資金は職工盟傘下の各労組のほか、民主党や公民党のメンバー、セントラル占拠行動を計画している香港大学の戴耀廷・副教授や市民の寄付とみられる。
 4月6日付『明報』『大公報』によれば、長引くストの影響を受け、ターミナルの稼働効率は通常の50%に落ち込んだ。HIT が4月5日までに処理した貨物は予定より最大5日遅れ、香港停泊を取り消した船舶は54隻、香港に向かっている途中の12隻が停泊先を変更。シンガポール や深圳で積み降ろしを行っている船舶も多い。
 ストの影響が今後の貿易におよぼす影響は必至。香港は04年まで世界一の港湾コンテナ取扱量を誇っていたが、近年は上海、シンガポールに抜かれ、現在は世界3位。しかも近々、深圳に抜かれるとの予想が出ていた矢先のストは痛手だ。
 港口発展局が発表した香港の1~3月のコンテナ取扱量は前年同期比4.6%減の543万1000個。4位の深圳は同3.7%増の528万8100個で香港との差はわずか。ス トの影響で順位の逆転が早まる可能性も出てきた。
HITは4月14日、労働者の多くが仕事に戻り業務は徐々に回復していると発表したが、1日当たり240万ドルの損失を受けたもよう。一方、労組代表は処理量は回復していないとし、コンテナが他の港湾に流れたことでHITはプレッシャーを感じていると指摘している。


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