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2014.01.27

外国人家政婦虐待の主婦を逮捕 事件は氷山の一角

 香港で23歳のインドネシア人家政婦アーウィアナ・スリシアニ・リスクさんに虐待を繰り返していた44歳の香港人主婦、羅允彤被告が起訴された。羅被告はこれまでにもアーウィアナさんを含む3人の家政婦を虐待した疑いがもたれている。
 事件は最初に海外で報じられ、世論の圧力を受け香港警察が捜査に乗り出した。だが氷山の一角であり、これまで雇用主に虐待を受けていた他の家政婦たちも声を上げ始めている。

親を殺すと脅迫
 羅被告の家政婦の1人だったインドネシア人のアーウィアナさんは住み込みで勤務した数カ月間、掃除機のチューブ、モップの柄、ハンガー、物差しなどで虐待を受け、平手打ちされ、頭を壁に打ち付けられた。アーウィアナさんは重症を負い、1月初めに羅被告によって帰国させられたが、その際、ばらしたら両親を殺すと脅迫を受けた。
 
 帰国したアーウィアナさんはインドネシアの病院に入院。事件は世界中で報じられ、香港でも連日メディアが報じる騒ぎとなった。マスコミ報道で人々が知るまで動かなかった香港警察もインドネシアに調査チームを派遣。羅被告はプレッシャーを感じ、友人と気晴らしにタイ旅行に行くため1月20日に空港に現れたところを警察に逮捕された。

 羅被告の弁護士は「被告は主婦であり、警察に追われているとは知らなかったと語っている」と述べた。1月22日、羅被告は夫が用立てた100万香港ドルの保釈金で釈放された。羅被告はアーウィアナさん以外にも元家政婦2人を同様に虐待した疑いがあり、暴力、障害、脅迫など計7件の罪状で起訴された。

 インドネシアの病院で治療を受けているアーウィアナさんは、あごの骨と鼻梁が骨折し、脳と両手足が腫れ、顔はむくみ、全身あざだらだった。アーウィアナさんは「すごく痛くてめまいがする」と語っている。
 医師は治るまでに最低1カ月かかると診断。アーウィアナさんは大学進学の学費を稼ぐために香港に働きに行ったが、父親は「行く前は体重が50キロあった娘が戻って来たときはやせ細って25キロまで落ちていた」と辛そうに語った。この事件を知った心ある人物が、アーウィアナさんに学費を寄付したと伝えられている。

報道を追い風に
 雇い主による外国人家政婦への虐待問題はこれまで幾度も香港メディアで取り上げられていたが、アーウィアナさんの事件が世界的に報道されたことで、虐待を受けていた外国人家政婦たちが声を上げ始めた。

 あるフィリピン人家政婦は、夫が病気になり治療費を稼ぐため香港に出稼ぎに来た。雇い主の女性は彼女に優しかったが、女性が中国本土で働く夫に会いに行っている間、同居していた雇い主の義母から目を突かれたり、残飯を食べることを強要された。雇い主の7歳の息子からもハンガーで全身をたたかれ、ひざをけがした。今も歩く時に痛みがあるという。この家政婦は休日に帰宅が遅れ、雇い主の家を閉め出されたことで警察に通報。支援団体の保護を受け、警察の事情聴取を受けた後に帰国した。

 また、あるインドネシア人家政婦は、香港中文大学連合書院の要職に就く家でこの家の主婦から4年間にわたって虐待を受けた。家政婦はこの主婦から床に押し倒され首を絞められそうになったことに驚き、家政婦協会を通じて警察に通報した。

 また、あるバングラデシュ人家政婦は、香港の雇い主の家で働き始めた1日目から物置に閉じ込められたり、髪を引っ張られたり、ぶたれたりといった虐待を3カ月にわたって受けたが、警察に通報できずにいた。最近、家政婦の虐待問題がメディアで頻繁に報じられるようになったので勇気を出して警察に相談したという。

 夫婦共働きが多い香港では中流家庭でも外国人家政婦を雇うのが一般的となっている。だが、言語や生活習慣の異なる外国人家政婦との摩擦は絶えず、雇用主の虐待だけでなく、過去には外国人家政婦による雇い主の子供への虐待や、料理に汚物を入れて雇い主に出すなどの事件も数多く起きている。1月19~26日付け香港各紙が伝えた。


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