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2014.06.07

競争力ランク後退 GDP伸び率は2.5%に減速

中国本土からの観光客の減少で宝飾チェーン周大福や化粧品チェーンsasaといった小売業への打撃も懸念される

中国本土からの観光客の減少で宝飾チェーン周大福や化粧品チェーンsasaといった小売業への打撃も懸念される

 スイスのビジネススクール、IMD(国際経営開発研究所)が5月22日に発表した「2014年世界競争力年次報告書」で、香港は昨年の3位から4位に後退。過去10年で初めてトップ3から脱落し、香港社会に衝撃が走った。貿易が低迷したほかに個人消費も落ち込んだことで香港の第1四半期の実質域内総生産(GDP)伸び率は前年同期比で2.5%に減速し、経済成長は楽観できない。普通選挙をめぐる「セントラル占拠行動」、中国本土からの観光客による消費の陰り、労働力不足などで今後さらなる競争力低下も懸念されている。

 IMDの競争力ランキングは世界60カ国・地域の経済実績、政府の効率、ビジネス効率、インフラを評価したもの。上位3位は米国、スイス、シンガポールで、シンガポールは昨年の5位から躍進した。香港は政治環境の安定などが競争力に影響したと指摘されており、セントラル占拠などの動きが懸念要素になったとみられる。香港は11、12年に連続1位だったが、13年は3位に後退していた。

 だが国際通貨基金(IMF)が5月23日に発表した香港の金融システムの安定評価リポートでは「香港は依然、世界で最も競争力の高い地域の1つ」と評価されており、健全な金融監督管理、慎重な財政、機敏な市場などの政策のメリットを挙げたほか、本土との経済関係が緊密になるほど恩恵を受けると擁護。ただし米国の金融緩和縮小と中国経済の影響、それに不動産相場の調整を香港の金融システムが直面する潜在的な3大リスクに挙げた。

 中国社会科学院が5月9日に発表した「都市競争力青書」では香港の総合経済競争力は12年連続のトップとなった。青書は全国約300都市を経済、住みやすさ、ビジネスなど9指標で競争力を比較。香港は6指標で1位となったが、経済競争力では税収、人材、ソフトとハードを含む施設の面での優位性が弱まっていることや、ひとたびセントラル占拠が発生すればさらに競争力に影響すると警告した。長江実業の李嘉誠・会長による資本撤退のうわさもビジネスがしやすい都市としての競争力に影響すると述べている。

 特区政府が発表した第1四半期の経済統計によると、GDP伸び率は前年同期比で2.5%。昨年第4四半期の2.9%からやや縮小し、過去1年半で最低。シンガポールの4.9%にも大きく水をあけられた。前期比では0.2%となり、昨年第4四半期の0.9%から同じく縮小した。第1四半期は輸出伸び率が前年同期比でわずか0.5%にとどまったほか、個人消費伸び率が2%で、09年第3四半期以降の過去5年で最低となった。

 消費の悪化は3月の小売り統計でも示された。小売業総売上高は前年同月比1.3%減の396億ドル、価格変動要因を考慮した小売業総販売量は同2.3%減とマイナス成長になった。売上高が減少したのは耐久消費財の同23.0%減、電器・撮影器材の同15.3%減、宝飾品・時計・高級贈答品の同8.9%減などの高額商品に集中しており、本土観光客による消費と関連がありそうだ。(記事提供:『香港ポスト』2014年6月6日号)>>>more


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