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2014.09.21

普通選挙の枠組み 全人代常務委の決定に反発も

全人代常務委の李飛・副秘書長

全人代常務委の李飛・副秘書長(写真:香港政府新聞処)

 全国人民代表大会(全人代、国会に相当)常務委員会は8月31日、行政長官の普通選挙問題と2016年の立法会議員選挙に関する決定草案を可決した。普通選挙の枠組みとなる決定内容は極めて保守的で、外国勢力による干渉への警戒が反映された。行政長官選に立候補する道が完全に閉ざされたとみる民主派は「セントラル占拠行動」の実行と立法会で改革案を否決する意向を示し、17年の普通選挙は棚上げとなる公算が大きい。

 決定内容は主に
1、指名委員会は現行の選挙委員会に照らし、4大分野(工商・金融界/専門業界/労働・宗教界/政界)が同等の割合、1200人を維持
2、正式な行政長官候補は指名委員会の過半数の支持が必要
3、候補者数は2~3人――
 となっている。この決定により政治体制改革プロセス5段階の第2段階が完了。決定に基づき特区政府が立法会に改革案を提出、3分の2の支持が得られなければ否決となり、17年の行政長官選挙は現行の方法で行われる。

 民主党と工党は決定に先駆け「指名委員会の過半数の支持」を堅持するならば立法会で改革案を否決すると予告していたが、決定を受け民主派議員27人は立法会で否決しセントラル占拠を支持する声明に署名した。セントラル占拠行動の戴耀廷・発起人は31日、「各界と抗争を開始し、最後は全面的なセントラル占拠を決行する」と発表。タマール公園で行われた集会には主催者発表で5000人、警察の推計で2640人が集まった。学民思潮のメンバーは集会後、全人代常務委の李飛・副秘書長(基本法委員会主任)が同日夜に来港して宿泊する湾仔のホテルまでデモ行進。警察との衝突も発生した。亜州博覧館で9月1日に行われた全人代の決定の説明会では、民主派議員らによる抗議活動で混乱も見られた。

 学生団体の香港専上学生連会は7日、全人代常務委による決定への抗議として22日から1週間、授業をボイコットすると発表。参加を表明したのは大学・専門学校14校の代表、少なくとも1000人が参加するという。特区政府に対し政治体制改革の第2回公開諮問では住民指名(行政長官候補を一般市民が指名)を確認、梁振英・行政長官と政治体制改革諮問タスクフォース3人の辞任、全人代常務委に決定の撤回と謝罪などを要求。ボイコット開始から1週間以内に回答がなければ抗争をエスカレートさせる構えだ。

 一方で戴耀廷氏は2日、ブルームバーグの報道で「セントラル占拠を迫り中央から譲歩を引き出す戦略は失敗した」と認めた。戴氏は「香港人の考え方は現実的」と指摘、セントラル占拠の参加者も当初の予想ほど集まらないとみる。占拠行動は経済的影響をできるだけ抑えるため、10月1日からの国慶節連休に決行する可能性を示唆した。世論調査では、指名プロセスに不満があってもまず普通選挙を実現することやセントラル占拠には反対という市民が多数を占めている。

 北京で全人代常務委の会議に出席した范徐麗泰(リタ・ファン)常務委員(前立法会議長)はすでに8月25日、セントラル占拠の発起人らが強硬な発言をすれば全人代常務委の決定はより引き締めが強くなるとの見方を示していた。范徐氏は「過去の経験からみて行動が強硬になればなるほど中央の反応は堅固になる」と指摘。「セントラル占拠を推進する行為や言論が増えれば増えるほど、全人代常務委の決定はますます具体的になる」とみていた。

 李副秘書長が9月1日に行った説明がこれを裏付けている。全人代の審議状況の説明でセントラル占拠に触れ、「違法活動による脅迫に屈すれば違法活動が増えることを考慮した」と説明。特区政府高官との非公開説明会では「ごく少数の者は中国が香港の主権を回復した事実を受け入れず、香港を独立した政治実体にしようと企んでいる」と述べた。(2014年9月19日『香港ポスト』


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