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2014.08.02

GDP予測の下方修正相次ぐ 自由行削減で1.4%成長も

 香港大学や香港上海銀行(HSBC)は先ごろ、2014年通年の域内総生産(GDP)伸び率予測を相次いで下方修正した。曽俊華(ジョン・ツァン)財政長官も8月に発表する経済報告での通年GDP伸び率予測の下方修正を示唆している。
 外部環境の不振による貿易の低迷、中国本土からの旅行者(自由行)の伸び鈍化による内需減退が下半期の経済成長にも影を落とす中、不動産バブル再燃や「セントラル占拠行動」という新たな危機に見舞われる可能性もあり、経済動向は予断を許さない状況だ。
   
 曽長官は6月、立法会財経事務委員会で香港の経済状況を報告し、欧米経済の回復が十分でないため外部環境には依然下ぶれリスクが存在することや内需の減退を挙げ、この状況が続けば8月に発表する上半期の経済報告で今年通年のGDP伸び率予測の下方修正を検討すると述べた。政府は2月、通年のGDP伸び率予測を3~4%と発表していた。

 香港大学の香港経済・商業策略研究所が7月3日に発表した経済リポートでは、通年のGDP伸び率予測を4月に発表した。3.5%から3.1%に下方修正した。第1四半期の米国の寒波による打撃が予想以上に香港の外需を萎縮させたと説明した。HSBCも7月10日に発表したリポートで、GDP伸び率予測を今年通年については先に発表した3.7%から2.9%に、来年通年については4%から3.7%にそれぞれ引き下げた。
 第1四半期の小売総額が前年同期比4.2%増で、09年第3四半期以降で最低だったことや、HSBCの香港購買担当者指数(PMI)の低下などが香港経済の下ぶれリスクを表しているという。ほかに恒生銀行、モルガンスタンレーもGDP伸び率予測を下方修正した。

 貿易の先行きはまだ楽観できない。香港貿易発展局(HKTDC)による輸出の景況を表す輸出指数は第2四半期が47.6で、第1四半期から0.5ポイントの下落。景況の分かれ目となる50を下回っている。HKTDCの関家明・研究総監は1~4月の輸出伸び率がわずか0.1%と予想を下回ったことを挙げ、今年通年の伸び率予測を先に発表した5.5%から4.4%に下方修正すると発表した。

 内需では高額商品の消費減速が目立つ。宝飾品大手、周大福の今年度第1四半期(4~6月)売り上げは前年同期比32%減。香港・マカオの既存店売り上げは同50%減となり、昨年の金ブームの反動が表れた。同じく宝飾品大手、六福の同期の業績では既存店売り上げは同54%減。うち金製品では同65%減。さらに同期には香港域内の店舗数が1店舗減少。同社の店舗閉鎖は過去3年で初めてとなり、今後も賃貸料の高い店舗を閉鎖するという。

 曽長官は6月8日に公式ブログで「4月の小売総額が大幅に減少したことから失業率が上昇するリスクもある」と述べた。小売総額の減少が自由行(本土からの観光目的による個人旅行)に関係するという分析はないものの、自由行の問題を考える際には市民生活への影響のほか、経済や雇用への影響を考慮すべきと指摘した。(記事提供『香港ポスト』2014年8月1日号)>>>more


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